皆様こんにちは。
本日は「コードバンの磨き方について」お話したいと思います。
ネットで検索すると多くの情報があり、
何が正しくて、何が正しくないのか、という事に悩んでしまいます。
正直にお話すると靴磨きには「正解」という答えは存在しません。
ミンクオイルをぬって仕上げる方もいれば
乳化性のクリームで仕上げる事が好きな方もいます。
しかし、革の種類に応じた正しいメンテナンスというものは存在します。
「その革に適したケア方法」「使用用途に合わせた磨き方」というものが大切になりますので、
今回「コードバンの磨き方」は「長く愛用する為」という点を踏まえながらSTEP順にご紹介出来ればと思います。
STEP1
表面にキズや水シミができているか、
部分的な色あせや黒ずみがあるか等しっかり靴全体の状態を確認します。
STEP2
木製シューキーパーを靴に装着。
履きシワをしっかり伸ばすことで、シワの間の汚れなどを取りやすくするために装着します。
また、シューキーパーが靴にしっかり合っている事を確認。
サイズが合っていないもので保管、手入れすると仕上がりや靴の状態に差が出るので注意します。
シューキーパー装着後、馬毛のブラシでしっかりブラッシングし埃を落とします。
STEP3
クレンジングウォーターを良く振って混ぜ合わせます。
リムーバークロスを指に巻き、指先にステインリムーバーを適量含ませ指で馴染ませます。
その後カカトの芯内側から優しく表面を滑らせる様に拭きあげます。
コードバンは強くこすると表面が荒れる場合があるので、滑らす様に優しく拭くことがポイントです。
表面の汚れ、古いクリームが軽く落ちる程度で十分です。
STEP4
リッチデリケートクリームをペネトレイト馬毛(豚毛でも代用可)に適量とり、薄く全体に塗り込み馬毛のサノハタブラシでブラッシング。
履きジワ部分の毛羽立ちは、この程度では潰れませんので、リッチデリケートクリームを再度少量取り、毛羽立ち部分に少量塗り込みます
(アビーステックの滑りを良くする為)。
その後、アビーステックで毛羽立ちを潰す様に表面を擦り込みます。
作業後、状態を確認し馬毛のブラシでブラッシング。
まだ毛羽立ちが気になるようであれば、クリームを少量取り同じ方法で作業を行います。
※全ての毛羽立ちがこの行為によって潰れるわけではありません。
潰そうと思って過剰に強い力ですり潰すと状態が悪くなる場合、キズになることがありますのでご注意ください。
(フラッシュを使用し撮影)
STEP5
馬毛のブラシでブラッシングして全体を確認し、ペネトレイトブラシ馬毛にクリームナチュラーレを適量取り全体に塗りこんでいきます。
その後、素早く馬毛のブラシでブラッシング(円を描くようにブラッシングする事をおすすします)。
STEP6
最後にグローブクロスで仕上げの空ぶきを行います。
※表面をつぶす様に少し力を入れて空ぶきして下さい。
ポイントは天然成分のクリームを使用する事で革にツヤをよみがえらせ、しっかりとパサつきを抑えます。
そして上質な栄養とうるおいが入ることで革切れしにくくなります。
天然成分のクリームは補色力はそこまで強くありませんが
革本来の力を引き上げる効果が現れやすいクリームです。
ツヤ感を強めにという事であれば
蜜蝋の入ったビーズリッチクリームもおすすめです。
以上が「長く愛用する為」の「コードバンケア」です。
もちろんここからワックスを大量に使ってもっとツヤを出すのも一つの「磨き方」です。
また薄い色のコードバンであれば無色のナチュラーレを薄く塗ってブラッシングだけ、というのも一つの「磨き方」でしょう。
今回はベーシックなコードバンケアの基本編とお考え頂ければと思います。
コードヴァンは変化の大きい革だけに、自分の好みに育てていく楽しみもあります。
その時に、こちらのケアの方法がご参考になればと思います。
Instagramも行ってますので是非。
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